メイクセラピー・化粧療法とは
メイクセラピーのもたらす効果とは、
メイクアップ(化粧)をすることは、外見を綺麗にするだけでなく、
ふれあいやカウンセリングによりメンタルもサポートできる心理療法です。
お化粧(メイク)を、する事は、自分自身の価値を高めたり、個性を演出する事で
対人関係を円滑にするという目的でも行われていました。
近年は、コミュニケーション能力や社会生活、外見の改善と言った
「化粧の持つ能力」が、人々のメンタルケアや心理療法にとりいれられています。
実際に、メイクやスキンケア技術や心理カウンセリングを学んだ専用の
「セラピスト」によって、医療や福祉、高齢者の認知予防などに導入されています。
まさに、介護予防・QOLの向上が期待できる活動は、人生100年時代の
高齢化社会の日本では、益々、需要が増える仕事かも知れません。
目次
認知機能やQOLを向上させる新しい科学療法
高齢社会において、介護予防や、心身の健康を維持し、
QOLの向上のために、薬物に依存しない様々な療法が検討されてきました。
その中で、メイクセラピー=化粧療法は、お化粧やねいるなど外見の変化を
通じて認知機能やQOLを向上をさせる新しい科学療法として注目されています。
化粧をする行為により、身だしなみや自分の外見を意識するようになり、
コミュニケーション能力が向上・モチベーションや行動が変化し元気になる。
という、美容が健康を生み出す、嬉しいサイクルが動き出します。
特に、女性にとっては馴染みの有る化粧を使っての療法は、
誰でも、抵抗なく始められ、特に化粧をしなくなった高齢化の女性には、
向いている療法として、介護施設などでは積極的に取り入れる所が増えている。
具体的なメイクセラピー(化粧療法)の効果
1,心理的な効果・・・自信の回復や、対人への積極性が生まれる。
鏡に向かって自分の顔を意識する事で、楽しい・気分が明るくなる報告も!
2,身体的な効果・・・指先や上肢の運動になる。
メイクをする事で表情筋のトレーニング効果も期待される。
3,脳への効果・・・脳の認知機能を司る前頭前野で、脳の血流が上昇!
脳の血流が上昇すると、脳の神経細胞が活性化します。
4,口腔への効果・・・唾液量が増加、口腔内の衛生やケアに繋がる。
スキンケアで顔へのマッサージをする事で唾液腺を刺激し増加が認められた。
綺麗と一緒に心の健康にも繋がるメイクセラピー(化粧療法)
認知症の初期症状の始まりの中に、自分を構わなくなる、というのがあります。
家族や他人どころか、自分への興味も薄れて行く。
認知症になられて方は、顔の表情が無表情になっていくのを感じます。
何事にも、感動や興味が薄れて行くような・・・
大好きなお母さんやお婆ちゃんの顔から、元気な表情が消えて行く。
それは、身近な人には寂しく、つらいものです。
そんな高齢者の皆さんが、わずか1時間の短い化粧療法レクレーションの中で、
明るい表情と笑顔、楽しいお喋りが増えてきます。
1時間後、綺麗にメイク(化粧)が仕上がった頃には、
無表情だった寂しいお顔は消えて、いきいきとしたお顔になっています。
「これが同じかた?!」
心も脳も元気になった事は、間違いないですね。
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